日曜の夜になると気持ちが重くなる。月曜からのことを考えると、なかなか寝つけない。もしそんな毎日が続いているなら、まずは立ち止まって「何がしんどいのか」を一緒に見ていきませんか。
人事として、新卒採用から退職面談、社員のメンタル不調の相談まで立ち会ってきました。その経験をもとに、仕事のストレスの正体と対処法を、できるだけ具体的に整理します。
もしあなたが
- 仕事のストレスで休日も寝てばかり
- 転職したのにまたしんどい
- 人間関係がつらい
- 何が原因かわからないけど毎日疲れる
と感じているなら、この記事が役立つかもしれません。
仕事のストレスは気合いで解決するものではありません。
大切なのは、「何がストレスなのか」を知り、正しく対処することです。
この記事では
- 仕事ストレスが増えている背景
- よくある3つの原因
- 自分のストレス要因の見つけ方
- 限界を感じたときの対処法
をわかりやすく解説します。
仕事のストレスは、誰にでも起こりうる
厚生労働省の「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、過去1年間にメンタルヘルス不調で連続1か月以上休業した労働者がいた事業所は10.4%、退職した労働者がいた事業所は6.4%でした。
およそ10社に1社の職場で、実際に起きていることです。
規模の大きい会社ほどこの割合は高くなる傾向があり、どんな職場でも起こりうるとわかります。
仕事のストレスは、一部の人だけの問題ではありません。
会社の対策だけでは防ぎきれない
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所は63.8%。裏を返せば、対策が十分でない職場もまだ多いということです。
それでも不調者は減っていません。
つまり、会社任せでは限界があります。
これからは、自分でストレスに気づき、整える力が必要です。
仕事ストレスの原因は主に3つ
1. 人間関係
- 上司との相性
- 同僚との温度差
- 相談しづらい空気
小さな負担でも、積み重なると心を消耗します。
2. 業務量・時間の負担
情報通信業では39.2%の事業所で長期離脱が発生しています。
通知、マルチタスク、終わらない対応。
現代の仕事は「脳を休ませにくい」のが特徴です。
3. 将来や評価への不安
- このままでいいのか
- 頑張っても評価されないのでは
こうした答えのない不安は、じわじわ心を削ります。
自分のストレス要因を見つける方法
「仕事がつらい」
そう感じているのに、何が原因なのかわからないことはありませんか?
なんとなくしんどい。
やる気が出ない。
休日も疲れが抜けない。
でも、「何がそんなにつらいの?」と聞かれるとうまく言葉にできない。
実は、ストレスとうまく向き合うために大切なのは、
起きた出来事そのものではなく、それを自分がどう受け止めたかを知ることです。
同じ出来事でも、受け止め方によってストレスの大きさは変わります。
心理学では、この「受け止め方」を整理する方法がいくつも研究されてきました。
その中でも、仕事のストレスを整理するのに役立つのが次の2つです。
- 自分の考え方のクセを見つける方法
- 今できる対処を整理する方法
これを知るだけで、「なんとなくつらい」が「何に困っているのか」に変わり、対処しやすくなります。
ABCDE理論で「考え方のクセ」を見つける
私たちは、出来事そのものに傷ついているとは限りません。
本当に心を苦しくしているのは、
その出来事をどう意味づけたか
であることが多いのです。
たとえば、上司からこんなことを言われたとします。
「この資料、少し視点がズレているね」
このとき、
「改善点が見つかった」
と思う人もいれば、
「私は仕事ができないんだ」
と思う人もいます。
起きた出来事は同じです。
でも、そのあと感じる気持ちは大きく変わります。
もし後者の受け止め方をしているなら、仕事そのものではなく、
「指摘される=自分には価値がない」
という考え方が、つらさを強めているかもしれません。
それを見つけるために、次の5つを書き出してみてください。
1.何があった?
例:会議で上司に「視点がズレている」と言われた
2.そのとき何を考えた?
例:「また否定された」「私は仕事ができない」
3.どんな気持ちになった?
例:落ち込み80%、不安70%、恥ずかしさ60%
4.その考えに証拠はある?
例:仕事ができないとは言われていない、内容への指摘だった
5.別の見方はある?
例:改善のヒントをもらえた、次に活かせる指摘だった
こうして整理すると、
「上司に指摘されたこと」
がつらかったのではなく、
「指摘された=自分はダメだ」と受け取っていたこと
に気づけます。
この気づきが、ストレスを軽くする第一歩です。
コーピングで「どう対処するか」を整理する
ストレスがつらいのは、
「どうしたらいいかわからない」と感じるときです。
そんなときは、次の3つを考えてみてください。
1.何が起きている?
例:残業が続いている
2.これは変えられる?
(YES / NOで考えます)
3.今できる退去は?
変えられるなら
→ 上司に相談する
→ 優先順位を整理する
変えられないなら
→ 少し距離を置く
→ 休む
→ 気分転換する
ストレスを感じると、人は「ただ苦しい」と感じやすくなります。
でも、
何が起きていて、何ができるのか
を整理するだけで、気持ちはかなり落ち着きます。
「どうしよう」と悩み続ける時間が、
「まずこれをやってみよう」に変わるからです。
ストレスをなくすことは難しくても、
自分のストレスを理解して、扱いやすくすることはできます。
そのための最初の一歩が、
「書き出して整理してみること」です。
仕事のストレスが限界なら、環境を変えていい
もし
- 朝が怖い
- 眠れない
- 食欲がない
- 何も楽しめない
なら、一人で抱え込まなくて大丈夫です。
転職・休職していい
環境を変えるのは逃げではありません。
自分を守る選択です。
誰かに話す
話すだけでも、気持ちは整理されます。
相談先がないなら「こころの耳」
厚生労働省の相談窓口
「こころの耳」なら無料・匿名で相談できます。

まとめ
仕事のストレスは、誰にでも起こります。
でも、自分のストレスの仕組みを知れば対処できます。
我慢し続ける必要はありません。
つらいときは立ち止まっていい。
環境を変えてもいい。
助けを求めてもいい。
あなたの心を守れるのは、あなた自身です。
よくある質問
Q. 仕事のストレスで辞めたいのは甘えですか?
甘えではありません。厚生労働省の調査でも、メンタル不調による休業や退職は決して珍しくない現実です。ただ、限界を迎える前に「何がストレスなのか」を切り分けておくと、辞める・残るの判断がしやすくなります。転職後に消耗が続く場合は転職後に体が疲れてしまう理由もあわせてどうぞ。
Q. ストレスの原因が自分でもわからないときは?
「いつ・何が」しんどいのかを紙に書き出すのがおすすめです。頭の中だけだと感情が事実を大きく見せるので、外に出すことで“環境の問題”か“自分の反応”かが見えやすくなります。
Q. 転職すればストレスは解決しますか?
ハラスメントや明確に合わない環境なら、離れることで解決します。ただ、自分の反応しやすいポイントが変わらないと次の職場でも似た悩みが出やすいので、辞める前の切り分けが大切です。今の仕事自体が合わない気がする場合は仕事が向いていないと感じたときの考え方も参考にしてください。
Q. もう限界かも、と感じたら?
無理を続けないでください。早めに休む、信頼できる人や専門の窓口に相談することが何より大切です。厚生労働省の「こころの耳」など、無料・匿名で相談できる窓口もあります。
出典・データ一覧
- 厚生労働省「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」(厚生労働省/調査対象:常用労働者10人以上の民営事業所。メンタルヘルス不調で連続1か月以上休業した労働者がいた事業所10.4%・退職した労働者がいた事業所6.4%、メンタルヘルス対策に取り組む事業所63.8%)


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