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転職してわかった「聞けばよかった」こと|採用担当が見落とした落とし穴

転職
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入社して数週間が経った頃、ふと気づいた。

自分がまだ、誰のことも本当にはわかっていないということに。

名前は覚えた。席の位置も把握した。
でも、誰がどんな気持ちで仕事をしているのか、誰と誰がどういう関係なのか、チームの中でどんな空気が流れているのか、まったく見えていなかった。

転職して最初に感じたのは、スキルのギャップでも、業務の難しさでもなく、「職場の雰囲気がつかめない」という漠然とした手探り感だった。

「思ってたより距離感が遠い」と感じた最初の数週間

前職の職場は、良くも悪くも距離が近かった。

人事として長く働いていると、自然とあらゆる部署の人と関わることになる。

採用のこと、研修のこと、労基のこと、トラブルのこと。さまざまな場面で人と接してきたから、「職場の人間関係って、だいたいこんなもの」という感覚ができあがっていた。

新しい職場に来て、その感覚がズレていることに気づくまで、そんなに時間はかからなかった。

みんな、ちゃんとしている。
でも、前職で感じていた「泥臭い近さ」みたいなものがない。

悪いことではないと頭ではわかっている。
ただ、どこまで踏み込んでいいのかわからなくて、毎日ちょっとだけ探るような気持ちで過ごしていた。

任せてもらえるまでの「何もできない感」

もうひとつ、正直しんどかったのが、業務を任せてもらえるまでの期間だ。

転職してすぐは当然キャッチアップの時間がある。
それはわかっていた。

でも、実際にその時間に入ってみると、思っていた以上に「自分への期待値」と「今の自分」のズレを感じることになった。

採用ポジションでの転職だったから、「採用のプロ」として見られている、という空気はある。
なのに、実際には社内の状況も、使っているツールも、文化も、何もわからない状態からスタートしている。

「はじめのうちはどういう流れで進む予定ですか?」くらいは確認しておくべきだったと思う。

キャッチアップのロードマップが見えないまま走るのは、思ったよりきつかった。

「いつから動けるんだろう」「このフワッとした状態はどのくらい続くんだろう」と、毎日どこかで考えながら仕事していた。

採用担当なのに、なぜ聞かなかったのか

ここで少し自己ツッコミをしたいのだが、私は採用担当として何年も、候補者から「入社後のキャッチアップはどういう感じですか?」という質問を受けてきた。

むしろ、「そういうことを聞けるかどうか」で、候補者の本気度や先見性を測っていた節さえある。

なのに、自分がいざ候補者になったときに、その質問をしなかった。

理由は正直、少しわかる。「この人たちに信頼してもらいたい」という気持ちと、「どこまで突っ込んだことを聞いていいんだろう」という遠慮が、選考中の自分にはあった。
職場の雰囲気を聞くのも、「なんか疑っているみたいに思われないかな」と無意識に足踏みしていたんだと思う。

採用担当として候補者を見てきた経験上、こういう遠慮をしている人はけっこう多い。
でも、遠慮した結果として後から「聞いておけばよかった」と後悔するくらいなら、選考中に聞いておいたほうがずっといい。

企業側も、真剣に考えてくれている候補者からの質問は、むしろ歓迎していることが多い。

入社前に確認しておけばよかったこと

自分の経験と、採用担当として見てきた視点を合わせて、「これは聞いておいたほうがいい」と今なら思うことを書いておく。

① キャッチアップの期間と流れ

「入社後、どのくらいの期間でどんな業務を任せてもらえる予定ですか?」

これは聞いていい。というか、聞くべき質問だ。
企業側が「未定です」と答えるなら、それ自体が情報になる。
明確な答えが返ってくるかどうかで、入社後の動きやすさがかなり変わる。

インターネットで調べた情報や求人票の文言だけで判断しないこと。

「入社後どういうスケジュール感で進むか」を、面接の場で直接確認するのが一番確実だ。

② 職場の雰囲気・チームの距離感

「チームのみなさん、どんな感じでコミュニケーションをとっていますか?」

これ、聞きにくいと思う人も多いと思う。

でも、ざっくりとした問いかけでいい。
回答の内容よりも、「どんな温度感で答えてくれるか」がむしろ参考になる。

面接では見えない「日常の職場の空気感」は、入社後にいちばん影響するところだ。
一緒に面接に同席した人の様子や、会社を訪問したときのちょっとした雰囲気も、ちゃんと観察しておいたほうがいい。

③ 「即戦力」への期待の解像度

「入社後すぐに期待されていることは何ですか?」

採用担当をやっていると、「即戦力採用」という言葉がかなり曖昧に使われていることに気づく。

「とにかく経験者が欲しい」という意味の場合もあれば、「入社1ヶ月で〇〇をやってほしい」という具体的なイメージがある場合もある。

この解像度を選考中に確認しておくかどうかで、入社後のプレッシャーの感じ方がだいぶ違う。
ズレがあるなら、入社前に把握しておいたほうが、心の準備ができる。

後悔というより、発見だと思うようにした

転職してみて気づいたことが多かった。

でも、「やっぱり転職しなきゃよかった」とは思っていない。

むしろ、これらのことを転職してはじめて自分事として実感できた、という感覚のほうが強い。

採用担当として「候補者に伝えていたこと」を、今度は「自分が体験する側」として通過している、という感じ。

手探りな毎日は続いているけれど、その手探りの時間がゼロな転職なんてたぶんない。
どこかに入ったとしても、絶対に「知らないことだらけ」の時期はある。

それを前提に、少しでも入社前に情報を集めておくこと。「聞いたら変に思われるかも」という遠慮より、「聞いておかなかったことを後悔する」ほうがずっとしんどい。

採用担当の私が、自分の転職でそれを身をもって学んだ。

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