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やりたいことがない30代の転職|自分の「核」の見つけ方

自己分析
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正直に言う。私も「やりたいことがない」人間だった。

人事の仕事を6年やって、採用も研修も労基対応も、ほぼひとりでこなせるようになっていた。
傍から見れば「仕事ができる人」だったかもしれない。

でも、夜に帰宅するたびにどこか空虚で、「私、何のためにこれやってるんだっけ」という感覚が抜けなかった。

忙しいのに、充実していない。
そういう状態が続いていた。

転職を考え始めたのも、そういう頃だ。

ところが困った。

「何をやりたいか」が、全然出てこなかった。

転職サイトを開いても、「志望動機」の欄で手が止まる。
「キャリアの軸は?」と聞かれても答えられない。
「やりたいことがない私には転職は無理なのかもしれない」と、何度も思った。

でも今は、そんなふうに思っていた過去の自分に言いたいことがある。
「それ、欠陥じゃないから」と。

「やりたいことがない」は欠陥じゃない

転職を考える30代の中には、「やりたいことが明確じゃないと転職できない」と感じている人も少なくない。

でも私は採用担当として6年、面接で何百人もの転職希望者と向き合ってきた。
その経験から言わせてもらうと、「やりたいことがない」と言う人の多くは、まだ言葉になっていないだけでちゃんとある。

考えてみてほしい。

転職というのは、正直めちゃくちゃ労力がかかる。

履歴書を書いて、職務経歴書を整えて、面接を何回も受けて、現職の業務をこなしながら転職活動を続ける。
あのストレスを、「なんとなく」だけで乗り越えようとする人はほぼいない。

動いているということは、「今の状況を変えたい」という気持ちが確実にある。
それがそのまま、やりたいことの輪郭なのだ。

採用担当として面接のなかで候補者と話すとき、私はよくその「変えたいこと」を紐解く作業をしてきた。

単に採用するかしないかではなく、その人がこの会社でどう働くかという人生の一部を背負うという気持ちがあったから。
そうやって一緒に掘り下げていくと、「やりたいことがない」と言っていた人が、自分の言葉でキャリアを語り出す場面を何度も見てきた。

「やりたいこと」がないのではなく、「やりたいことを言語化する機会」がなかっただけ、というケースがほとんどだった。

仕事はできるのに、空虚だった話

私が人事にいた頃の話をする。

ちょうど6年目に入った頃だったと思う。

採用も研修も労基も、気づけば何でもこなせるようになっていた。
会社からの評価も悪くなかった。

でも夜、帰り道のコンビニで肉まんを買いながら、「今日も一日終わったな」と思っても、何も湧いてこなかった。

達成感でも充実感でも疲労感でもなく、ただ「空虚」だった。

頑張れているのに、ぜんぜん満たされない。
この感覚がずっと続いていた。

そんな時期に、キャリアコンサルタントの資格を取ろうと思い立った。

もともと人事として採用や相談に関わってきたから、「せっかくなら体系的に学ぼう」という動機だった。
でもその勉強が、自分自身のキャリアを見つめ直す入口になったのは予想外だった。

学習の中で出てくる自己理解のワークを、自分自身にも当てはめてみた。
「何がやりがいになっていないのか」
「自分はどういう状況でエネルギーが出るのか」
を客観的に観察する作業だ。

最初は「別に私は普通に仕事してるし」と思っていた。

でも続けるうちに、だんだん輪郭が出てきた。

「私、誰かの人生に直接関わることが好きなんだ」と気づいたのはその頃だった。

採用して終わりじゃなくて、入社後もその人がちゃんと活躍しているかを追いたい。
数字ではなく、人の話を直接聞いていたい。
そういうことが、自分にとってのやりがいの条件だとわかってきた。

それまで「なんか違う」と感じていたものが、言葉を持ち始めた瞬間だった。

やりたいことより先に「嫌なこと」を掘る

自己理解に行き詰まる人の多くが、「やりたいことを探そう」とするから迷子になる。

ポジティブな動機から入るのは、意外と難しい。

やりたいことってそもそも、経験がないと浮かびにくいから。
「海外で働きたい」「起業したい」みたいな具体的なビジョンがない人のほうが、社会人になってから多数派だと思う。

もっと入り口として機能するのは、「絶対に嫌なこと」と「これだけは守りたいこと」の2軸だ。

不満って、正直に書き出しやすい。「この仕事だけはやりたくない」「この環境はもう無理」というのは、体感としてすでに持っているから。

そしてその不満の裏には、「自分が本当に大切にしていること」が隠れている。

「残業が多くて嫌だ」→ 裏を返せば「自分の時間や生活を大切にしたい」という価値観がある。
「評価されていない気がする」→「貢献したことをちゃんと認められたい」という欲求がある。
「同じ作業の繰り返しが苦痛」→「変化や学びがある環境が合っている」ということがわかる。

「やりたいことを探す」より、「嫌なことの裏を読む」ほうが、自分の価値観への近道になることが多い。

キャリアコンサルタントの私が実際に使う自己理解のステップ

キャリアコンサルティングの私もよく使う、シンプルな問い直し方を紹介する。

①「不満」を5つ書き出す

今の仕事で「これは嫌だ」「これが合わない」と感じることを、5つ書き出す。

「上司の意思決定が遅い」でも「会議が多すぎる」でも「自分の意見が通らない」でもいい。

体裁を整えなくていい。そのまま書く。

②不満の「裏の欲求」を読む

書き出した不満の隣に、「これが嫌だということは、本当は何を求めているか」を書き添える。

このひと手間が、自分の価値観を言葉にする作業になる。

③「絶対に嫌なこと」リストを作る

ポジティブな「やりたいこと」はなかなか出てこなくても、「これだけは無理」は案外すぐ出てくる。そのリストが、転職先を選ぶ軸になる。

面接で志望動機を聞かれた時も、「これを大切にしたくて」という言い方で語れるようになる。

④「エネルギーが出た瞬間」を探す

過去の仕事で、「これは楽しかった」「時間を忘れた」という場面を思い出す。

大げさなエピソードじゃなくていい。
「新入社員の質問に答えているとき」
「資料を整理してすっきりした瞬間」
「お客さんから感謝された日」、
そういう小さな瞬間でいい。

そこに、自分のやりがいの源泉がある。

この作業をひとりでやると煮詰まりやすい。

紙に書いていても、同じところをぐるぐるしてしまうことがある。

そういう時、診断ツールを入口に使うのも一つの方法だと思う。

自分の傾向や市場価値を数値として見てみたいなら、ミイダスの無料診断が手軽だ。

登録するだけでコンピテンシー診断が受けられて、「自分にどんな傾向があるか」の棚卸しをするきっかけになる。
転職活動を具体的に始める前の、自己理解の入口として使いやすい。

まとめ:「やりたいことがない」は出発点でいい

「やりたいことが明確じゃないと転職できない」は、思い込みだ。

転職を考えているということは、現状を変えたいという意志がある。

その時点で、すでに動き出している。

あとは「嫌なこと」「大切にしたいこと」「エネルギーが出た瞬間」を丁寧に観察していけば、ぼんやりしていたものが少しずつ像を結んでくる。

私自身、そうだった。

仕事はこなせていたのに空虚で、「やりたいことがない」と思っていた。

でも自分を客観的に観察して言語化する作業を続けたら、キャリアの方向性が見えてきた。

それは「やりたいことを見つけた」というより、「自分にとって必要なものが言葉になった」という感覚に近かった。

採用担当として何百人と向き合ってきた経験から言えるのも、同じことだ。
「やりたいことがない」と言う人のほとんどは、気づいていないだけで、ちゃんとある。

焦らなくていい。

でも、ぼんやりしたまま時間だけ過ぎるのも、もったいない。

自分の「嫌なこと」から掘り始めてみてほしい。

そこに、次のキャリアへのヒントが隠れていると思う。

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