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転職後に即戦力として活躍できないと悩む人へ|それは本当に能力不足ですか?

自己分析
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転職して、まだ間もない。

正直に言うと、思っていたより「できないこと」が多い。

前職では人事として6年間、新卒採用・研修・労基対応をほぼひとりで回していた。「自分にできないことはない」とまでは思っていなかったけれど、少なくとも「慣れれば何とかなる」という根拠のある自信があった。

でも今、その自信は静かに揺らいでいる。

マーケティング支援会社に採用担当として入社した。職種は同じだ。なのに、使うツールも、コミュニケーションのテンポも、会話に出てくる言葉も、前の会社とは別世界みたいに違う。

「え、これってどうやるんですか?」が、1日に何度も出てくる。


採用する側だった私が、今度は「される側」になった

6年間、私は評価する立場だった。

履歴書を読んで、面接をして、「この人は採用する・しない」を決めてきた。何百人と会って、何十人かを落としてきた。

「もう少しスキルが欲しい」
「この人は今の環境に合わないかもしれない」

そういう判断を、日常業務としてこなしてきた。

今、その立場が逆転している。

私は「採用された側」だ。面接では「ぜひ来てほしい」と言われて入社した。でも実際に働き始めると、思うように動けない。「期待に応えられているんだろうか」という問いが、夜になると少し重くなる。

特に苦しいのが、前職でよくやっていたこととほぼ同じ仕事が、今の職場ではうまくできないことだ。

前職では候補者に「なぜうちを選んだのか」「この会社の魅力をどう感じているか」と聞いていた。そして深掘りもできたし、会社の理念と事業を結びつけながら自分の言葉で説明することもできていた。

その同じことが、今の会社では全然できない。

採用担当として人を見てきた目が、今度は自分自身に向いている。

「もし私が面接官だったら、この入社直後の私をどう評価するだろう」

そう考えると、少し苦しくなる。


電話が鳴るたびに、少し固まる

転職してから、電話が鳴るのが怖くなった。

前の職場では普通に取れていた。取次先も頭に入っていたし、多少イレギュラーな対応でも何とかなっていた。でも今の職場は、繋ぎ先も対応の幅も、まだ教わっていないことだらけだ。

ある日、オフィスで電話が鳴った。

周りはみんな自分の仕事に集中している。しばらく誰も取らない。客観的に見て、そのとき一番手が空いていたのは私だった。でも、取れなかった。取次先がわからないまま出て、対応を間違えたらどうしよう。それが怖くて、受話器に手が伸びなかった。

結局、別の人が少し迷惑そうに取った。

「あの人、暇そうなのに電話も出ないのか」

そう思われたかもしれない。いや、実際にどう思われたかはわからない。でもそう見えていたはずで、それがじわじわと気まずかった。

コミュニケーションのスタイルも、前の職場とは全然違う。前は何かあればすぐ声をかけてやりとりしていたけれど、今の職場はみんな黙々と仕事をしていて、やりとりはほぼチャットだ。「ちょっといいですか」が自然に言えた環境と、静かにキーボードを叩く環境では、なんというか、空気のつかみ方から違う。

中途即戦力として入ったのに、こんな基本的なことで詰まっている。「使い物にならない」と思われているんじゃないか。その不安が、じわじわと積み重なっていった。


「能力不足」と「慣れていないだけ」は、ちゃんと別の話だ

夜、少し落ち着いて考えた。

「私は本当に能力が足りないのか。それとも、まだ慣れていないだけなのか」

採用担当として働いてきた経験から言うと、この2つはかなり違う。

「能力不足」と感じている状態の中には、実は経験不足や環境への不慣れが含まれていることがある。一方で、慣れによって改善できる課題も少なくない。

今の自分の状況を整理してみた。

ツールは使えていないけど、調べれば動かせる。専門用語がわからないけど、意味を聞けば理解できる。スピードが遅いけど、業務の流れは少しずつ見えてきた。

これは「能力不足」じゃなくて、「環境にまだ慣れていない」状態だ。

もし能力面に本当に課題があるなら、短期間では改善が難しかったり、追加の学習や経験が相当必要だったりするはずだ。今の私はそこまでの壁には当たっていない。

「使い物にならないと思われているかも」という感覚は、感情だ。「実際に何ができて何ができないか」が事実だ。感情と事実は、分けて考えたほうがいい。

適応障害を経験したときも、この「切り分け」に救われた。あのときも、「しんどい気がする」と「実際に起きていること」を丁寧に分けることで、少しずつ前に進めた。今回も同じだと思っている。


採用担当として知っていたこと:入社直後の「できない」は当然だ

6年間で、何人もの入社後フォローをしてきた。

入社3ヶ月でぐっと成長した人が、最初の1ヶ月は「仕事についていけなくて辛い」と話していたのを何度も見てきた。

逆に、最初から「できます」という顔をしていた人が、3ヶ月後に「実はずっと無理をしていました」とポロっと話してくれたこともある。

わかっていたことだ。入社直後の「できない」は、ほぼ全員に起きる。

問題は「できない」ことじゃなくて、「できないことを隠し続けること」や、「できないことを永遠に続く能力の問題だと決めつけること」のほうだ。

自分に言い聞かせている。まだ入って間もない。今は「知らないことを知る」フェーズだ、と。


今、実際にやっていること

落ち込むだけじゃなくて、少しずつ動いていることもある。

わからない言葉は、その日のうちに調べる

会議中にわからなかった言葉は、終わったあとすぐノートに書いて、その日中に意味を調べる。CPAも、ファネルも、今はもう自分の言葉で説明できる。「知らなかった」を毎日少しずつ減らしていくだけで、少し楽になってきた。

「教えてもらえますか」を躊躇わない

「採用のプロなのにこんなこともわからないのか」と思われるのが怖くて、最初は質問するのをためらっていた。でも、わからないまま進むほうが結果的に迷惑をかける。聞いたほうが早いし、「聞ける人」のほうが職場には馴染みやすいということも、採用担当として散々見てきた。

「前の会社ではこうだった」を封印する

無意識に「前の職場では〜」と言いそうになることがある。でもそれは、今の環境に馴染む邪魔になることが多い。前の会社のやり方に誇りはあるけど、まず「この会社のやり方」を覚えることを、今は優先している。


「できない自分」は、まだ途中なだけだ

能力不足を感じたとき、一番やってはいけないのは「私にはそもそも無理だったんだ」と、早々に結論づけることだと思っている。

採用担当として見てきた人の中で、「この人は伸びるな」と感じた人は、できなかったときの立て直し方が違った。落ち込む時間は短くて、「じゃあどうするか」に切り替えるのが早かった。

私も今、その切り替えを練習している。

「できない」のは、まだ途中だからだ。そう言い聞かせながら、今日もノートに知らなかった言葉を書き足している。


キャリ子


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