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面接の退職理由、採用担当にどこまでバレてるか|現役人事の本音(ワークシート付)

転職
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転職の面接で退職理由を聞かれたとき、私は「キャリアアップできる環境を求めて」と答えた。

嘘はついていない。でも、それが全部じゃなかった。

本当のことを言うと、前職の仕事が嫌いになったわけじゃない。
ただ、だんだん「惰性」になっている自分に気づいていた。

こなせてしまう。
頑張らなくても回せる。
それがじわじわと怖くなってきた。

このまま続けたら、何かが鈍っていく気がした。

「負荷をかけたい」というのが、本音に一番近い表現だと思う。

でも面接でそうは言わなかった。

「キャリアアップを求めて」という、もう少しきれいな言葉を選んだ。

採用担当として「また来た」と思ってしまう退職理由

人事を6年やっていた。転職者の面接にも何十回と入ってきた。

その経験から言うと、「キャリアアップを求めて」という退職理由は、正直に言うと「また来たな」と思う言葉の一つだ。

「成長できる環境を求めて」「より挑戦できる仕事がしたくて」もほぼ同じグループに入る。

悪い言葉じゃない。
前向きだし、論理的に聞こえる。

問題は、多くの人がこれを「答え」として準備してきていて、その先をあまり考えていないことだ。

どうわかるかというと、追加で質問すると出てくる。

「具体的に、今の職場のどんな環境が物足りなかったんですか?」

そこで言葉に詰まる人がいる。
それまでスラスラ話していたのに、急に考え込む。
答えが続かない。
あるいは、さっきの発言と微妙に矛盾してくる。

そうなると、「あ、準備してきた言葉だったんだな」とわかる。

見抜いたからといって、落としていたわけじゃない

ここが大事なことなんだけど、建前だとわかっても、採用したことは何度もある。

理由は一つで、「本音が本当にマズい理由じゃなかった」と判断できたからだ。

採用担当として気にするのは、「次の職場でも同じ問題を起こす可能性があるか」という点だ。

退職理由の本音が「上司とのトラブル」でも、それが一度きりの話で、その後の関係をきちんと整理して辞めているなら、別に問題じゃない。
みんな一度くらいはある話だ。

「仕事が物足りなくなってきた」なんて、ほぼ全員が通る道だ。
それ自体は欠陥じゃない。むしろ、そこで動こうとするのは悪くない。

採用担当がひっかかるのは、
「この人は次の会社に来ても、また同じ理由で辞めそう」
「本音がよっぽどヤバいから隠しているのか」
という場合だ。

建前を使うこと自体が問題なんじゃなくて、建前の「質」が問われている。

面接で一番痛いのは「薄い建前」

建前を使うこと自体は別に悪くない。
みんなやってるし、採用担当もわかってる。問題は「薄い建前」だ。

薄い建前には、いくつかの特徴がある。

追加質問に耐えられない。

「キャリアアップを求めて」と言ったあとに「具体的には?」と聞かれて、続きが出てこない。準備が表面だけで止まっている。

応募先と結びついていない。

「成長したい」という退職理由を話しながら、志望動機が「安定していそうだから」になっている。
話が繋がっていない。

感情が言葉と合っていない。

表情や声のトーンが、言葉の前向きさと合っていない。
「成長を求めて」と言いながら、なんとなく疲れた顔をしている。

逆に、「厚い建前」は追加質問に耐えられる。
自分の言葉でそこまで到達できる。
嘘をついていないからだ。

私の「キャリアアップを求めて」は、正確には「惰性になることへの恐れ」という本音を、前向きに言い換えたものだった。
根っこは一緒だから、追加質問されても答えられた。

「本音を言うべきか」という問いへの私なりの答え

よく「面接では本音を言うべきか」という話になるけど、私の考えはシンプルだ。

本音をそのまま言う必要はない。でも、本音から出発した言葉を使うべきだ。

「人間関係が嫌だった」という本音を、「チームの連携が取れない環境でのプレッシャーを感じた」と言い換えるのは別に悪くない。
同じことを、より正確に伝えようとした結果だ。

でも、「人間関係が嫌だった」という本音を、全然関係ない「キャリアアップを求めて」に変換してしまうと、追加質問に答えられなくなる。
なぜなら、本音と建前が別物になってしまうからだ。

建前は、本音の「翻訳」であるべきで、「別の話」にしてはいけない。

採用担当として、正直な候補者が好きだったかというと

これも正直に言うと、必ずしもそうじゃなかった。

「正直すぎる候補者」は、それはそれでリスクになることがある。

「上司が嫌いで辞めました」
「給料が低すぎて辞めました」
を、何の言い換えもなくそのまま話してくる人は、「次の会社でも同じことを言いそう」という印象を与えてしまうことがある。

採用担当が見ているのは「正直か否か」じゃなくて、「この人は自分の状況を客観的に整理できるか」だと思っていた。

感情的な不満をそのまま話す人より、
「こういう状況があって、こう感じた。だから次はこういう環境を選びたい」
と整理して話せる人の方が、印象がよかった。

あのとき私が言えなかったことを、今なら言える

転職活動をしていたとき、「惰性になることが怖い」という本音を、そのままの言葉で面接では言えなかった。

今ならわかる。
それを言えばよかった、という話でもないし、「キャリアアップを求めて」で問題なかった、という話でもない。

ただ、自分の本音を一度ちゃんと言語化してから面接に臨んでいたから、追加質問に詰まることはなかった。
それだけだと思っている。

建前を使うことは悪じゃない。
でも建前を使うなら、本音から出発してほしい。

そうじゃないと、経験を積んだ採用担当の追加質問に、答えられなくなる日が来る。

感情的な不満をそのまま話す人より、
「こういう状況があって、こう感じた。だから次はこういう環境を選びたい」
と整理して話せる人の方が、印象がよかった。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

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