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職場で「浮いてる」と感じるほど、キャリアを狭くする

自己分析
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先月、今の会社で全社イベントがあった。チームプレーと挑戦を大切にするカルチャーで、他部署の人にもどんどん話しかけて場を盛り上げるのが、うちの社風らしい。

実際、周りは初対面同士でもすぐに打ち解けて、あちこちで笑い声が起きていた。

その中で、自分の周りだけなぜか静かだった。

話しかけるタイミングがつかめない。
何を話せばいいのかわからない。

気づけば、愛想笑いをしながら壁際に立っている自分がいた。

飲み物を取りに行くふりをして、何度もその場を離れた。

帰り道、頭の中をずっと同じ考えがぐるぐる回っていた。

馴染めていないんじゃないか。

この会社の社員なのにコミュニケーションが取れないなんて、ミスマッチだと思われているんじゃないか。

実力不足だと評価されていそうで、正直かなり落ち込んだ。

入社してまだ日が浅い分、なおさら「この会社に合っていないのかもしれない」という不安が大きくなった。

「浮いている」という感覚は、どこから来るのか

こういう感覚は、たいてい「みんなができていることが、自分にはできていない」という比較から生まれる。

厄介なのは、比較している「みんな」が、実際にはその場を盛り上げるのが得意な、ごく一部の人だったりすることだ。

会議室の隅で聞き役に回っている人、輪には入らず一人でランチを済ませている人。
そういう人は目立たないから、記憶に残らない。

結果として、目立って盛り上がっている人だけが「普通」に見えてしまい、自分がその普通からはみ出しているように感じる。

実際は、静かに過ごしている人の方が多いかもしれないのに、だ。

さらに厄介なのは、この手の不安が一度芽生えると、次の場面でも同じことを繰り返してしまう点だ。

「また盛り上がれなかったらどうしよう」と身構えるほど、余計に体がこわばって話しかけづらくなる。
悪循環に気づかないまま、「自分はこの会社に向いていない」という結論に飛びついてしまいそうになる。

採用担当として見てきた、「浮く人」への本当の評価

正直、この視点は人事をやっていなければ持てなかったと思う。

採用や評価の場に6年ほど関わってきて感じるのは、「盛り上げるのが得意な人」と「会社が求めている人」は、必ずしも同じではないということだ。

面接でよく見られていたのは、その場のノリではなく、一つのことをどう考え、どう動いたかという具体性だった。
むしろ、周りに合わせすぎて自分の考えが見えない候補者の方が、評価に困ることが多かった。

「協調性がある」と「周りに同化している」は違う。
採用する側は、その人にしかない視点や経験があるかどうかを、実は結構見ている。

社風に合わせて明るく振る舞える人がいる一方で、一人で黙々と考えるタイプが評価される場面も普通にある。
声の大きさと評価の高さは、思っているほどイコールではない。

そもそも、担当者はその人が実際にその職場でどう働くかを、面接の数十分だけで完全に見抜けるわけではない。
当然、社風に馴染めそうかどうかの印象は入る。

だが最終的に長く活躍するかどうかを決めるのは、初日の雑談がうまいかどうかではなく、日々の仕事の中でどう考え、どう関わるかの積み重ねだ。
最初のイベントで盛り上がれなかったことは、評価のごく一部でしかない。

落とし穴と、そこにある強み

「浮いている」という感覚には、たしかに落とし穴がある。

周りに合わせられないことで孤立し、必要な情報が回ってこなかったり、相談しづらくなったりすることは実際にある。
ここは軽視しない方がいい。

ただ、同じ「周りと違う」ことが、強みに変わる場面もある。
以前、出張先で知り合っただけのインド人の家に、一人で泊まりに行ったことがある。
周りには「なぜそんな知らない土地に一人で」と驚かれたけれど、その時の経験で得た視点や柔軟さは、その後の仕事でも何度も自分を助けてくれた。

誰もやらない選択をした経験は、前例のない場面での判断力につながることがある。

つまり、落とし穴を知っているからこそ、強みの使い方がわかる。
孤立につながる場面では周りとの接点を意図的に作りにいき、自分の考えを求められる場面では、遠慮せずに人と違う視点を出す。
この使い分けができるかどうかが分かれ目になる。

明日からできること

  • 雑談ではなく、1対1の会話を1つ作る。 大勢の場が苦手でも、1対1なら話せることは多い。まず一人、話しやすそうな人とランチや15分の雑談の約束をする。輪に入る練習より効果が早い。
  • 「浮いている自分」の具体的な言動を書き出す。 漠然とした不安のままにせず、「何ができていて、何ができていないか」を紙に書く。感情と事実を分けると、対処できる部分が見えてくる。
  • 自分が人と違う形で評価された経験を1つ思い出す。 なければ、これまでの仕事で「自分なりのやり方で結果を出せた」場面を探す。強みは大抵、浮いていた部分の裏側にある。
  • 一人で考えるのがしんどい場合は、まず無料のキャリア相談を使う。 いきなり転職エージェントに登録するより、ハローワークの無料のキャリア相談で、自分の傾向を客観的に整理してもらうところから始める方が、遠回りに見えて早い。

自己分析に興味が出てきたら、こちらの記事も合わせて読んでみてほしい。やりたいことがない30代の転職|自分の「核」の見つけ方では、核の見つけ方をもう少し具体的に書いている。

まとめ

浮いている感覚は、なくそうとすればするほど、かえって自分を見失わせる。

無理に合わせようとするより、どこで人と足並みを揃え、どこで自分の違いを出すかを、少しずつ選んでいく方が現実的だ。

完璧に馴染んでから動く必要はない。
まずは今日、1対1で話せる相手を一人見つけることから始めてみてほしい。

転職も視野に入れて動きたくなったときは、転職エージェント、任せたら後悔する——採用担当だった私が伝える選び方と使い方も参考にしてもらえたらと思う。

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