PR

「強みがない」は思い込み——採用担当が見た職務経歴書の落とし穴

自己分析
記事内に広告が含まれています。

転職活動で職務経歴書を書いたとき、手が止まった。

人事を6年やって、応募者の書類を何百枚も見てきた側なのに、いざ自分のことを書こうとしたら「強みと呼べるものがない」と感じた。

ぶっちゃけ、これには自分でも笑った。
書類を見るプロ(のはず)が、自分の書類で詰まるのか、と。

もし今、職務経歴書やエントリー画面を前に「書けることがない」と固まっているなら、この記事はたぶん役に立つ。

先に結論だけ言うと、強みがない人はほとんどいない。多くの場合、「強みの言語化がズレている」だけだ。

「強みがない」と感じるのは、能力の問題じゃない

毎日やっている仕事は、自分にとって「当たり前」になる。

そして当たり前になったものは、自分では強みとして認識できなくなる。

周りの同僚も似た業務をしていれば、なおさら「誰でもできること」に見えてくる。

正直、私もそうだった。新卒採用も研修も労基対応も、ほぼ一人で回してきた。

それなのに書き出そうとすると、「普通に仕事をしていただけ」という感覚が先に立つ。

実は、この「普通にやっていただけ」という感覚こそが、スキルが日常に溶け込むほど身についている証拠でもある。

ただ、それは当の本人には一番見えない。
灯台下暗しというより、灯台は自分の足元を照らす構造になっていない、という話だと思う。

採用側が見ているのは「実績の大きさ」ではない

ここからは、書類を「見る側」だった6年間で感じていたことを書く。

読む側として一番困るのは、強みが「ない」書類ではなく、強みが「抽象的」な書類だった。

「コミュニケーション能力に自信があります」「何事にも真面目に取り組みます」。

こう書かれると、判断材料が実質ゼロになる。
嘘だと疑っているわけではない。
ただ、どの場面で、誰に対して、何をしたのかが分からないと、こちらは評価のしようがないのだ。

そして採用側が本当に知りたいのは、実績の派手さではなく「再現性」だった。

うちの会社に来ても、同じことができそうか。
判断したいのは結局そこに尽きる。

考えてみれば当然で、採用担当は応募者の前職の現場を見てきたわけではない。
だから「その仕事ぶりは、あなたの何によって支えられていたのか」という部分でしか判断できない。
派手な数字があっても、それが環境のおかげなのか本人の力なのか分からなければ、評価は保留になる。

一方で、目立つ実績がなくても「毎回同じ品質で業務を回してきた」ことが場面つきで書かれていると、読む側にはむしろ雄弁に映る。

地味に聞こえるかもしれないが、再現性の証拠として十分に強い。

落とし穴は「大きさ」で語ること。強みは「場面」に埋まっている

整理するとこうなる。

よくある落とし穴は、強み=目立つ実績だと思い込むこと。

その結果、「そんな実績はないから」と手が止まるか、抽象語(コミュ力・真面目さ・調整力)で空欄を埋めることになる。

どちらも、読む側には届かない。

実際の強みは、日常業務の中の「つい自分がやってしまうこと」「なぜか人から頼まれがちなこと」に埋まっている。
本人にとっての「当たり前」は、採用側から見れば再現性の証拠そのものだ。

だからやるべきことは、実績を盛ることではなく、場面を掘り起こすことになる。

落とし穴の正体(大きさで語ろうとする)が分かっていれば、掘る場所(日常の場面)も決まる。

明日できる、強みの掘り起こし方

私が実際にやったのは、書き出して整理することだった。

頭の中で考えているだけだと「普通のことしかしてない」というループから出られない。
紙に出すと、ようやくパターンが見えてくる。

1. 直近1年の業務を「動詞」で書き出す。
「採用担当」ではなく、「説明会で話した」「面接の日程を調整した」「評価基準を作った」というレベルまで分解する。
名詞のままだと当たり前に見える仕事が、動詞にすると行動として見えてくるからだ。

2. 書き出した行動それぞれに「誰が助かったか」を一行添える。
強みは自分の内側ではなく、相手への影響の中にある。
書類を読む側が知りたいのも、まさにここだった。

3. 抽象語を使ったら、その場で場面に言い換える。
「調整力があります」と書きたくなったら、「立場の違う関係者の言い分を聞いて着地点を作った」まで戻す。
抽象語は便利な分、読む側には何も残らない。

一人で書き出すのが難しければ、ハローワークのキャリアコンサルタントに壁打ち相手になってもらう手もある。

無料だし、他人に話すと「それ、普通じゃないですよ」という発見が起きやすい。
自分の当たり前は、他人の目を借りたほうが早く見つかる。

※広告
自分の強みを客観的な数値で確認したいなら、ミイダスのコンピテンシー診断を書き出しの「たたき台」に使うのも一つの手だと思う。登録だけで無料で受けられるので、ゼロから書き出すよりハードルが下がる。

そもそも「強み以前に、自分が何をしたいのか分からない」という段階なら、先にこちらの記事が参考になるかもしれない。
やりたいことがない30代の転職|自分の「核」の見つけ方

まとめ:強みは「探す」ものではなく「掘り起こす」もの

職務経歴書の前で固まっていたあの日の私に言えるのは、「ないんじゃなくて、見えてないだけ」ということだ。

6年間、書類を見る側にいた人間ですら、自分の番になると見えなくなる。
それくらい、自分の強みは自分から見えにくい。

完璧な自己分析を終えてから動く必要はない。

まずは今夜、直近1年の仕事を動詞で10個書き出してみる。

それだけで、書類の景色は少し変わると思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました